完全中高一貫制がスタート
本物に触れる体験を通じて “知耕実学”で夢を創造
東京農業大学第一高等学校中等部
共学校
2025年、完全中高一貫校として新たなスタートを切った東京農業大学第一高等学校中等部。開校以来の「実学」を重んじる学びを大切にしながらも「共創し、新たなステージへ」をスローガンに、各種教育プログラムを再構築し、さらなる進化・深化を進めている。6年制だからできる教育とは?同校の新たな取り組みや、今後の学びについて、梅原章司校長にうかがった。
体験を基に、6年間かけて
思考のプロセス習得に取り組む
同校が掲げる教育理念「知耕実学」とは、本物に触れる「実学」を通して「知」を耕すという意味だ。「特に中1、2年という多感な時期に本物に触れれば、『これって面白い』とか『なぜ、どうして』など、生徒一人ひとりが『何か』を感じ取るはずです。五感で感じたものをきっかけに仮説を立て、実験・実証を経て考察し、判断・行動へと結びつけていく。こうした思考プロセスを身につけ、繰り返すことで創造力が育まれます。授業はもちろん、本校のあらゆる学校活動はこの『知耕実学』の考えの下で行っています」と、梅原校長は語る。
たとえば中1で稲作を実践して米を収穫した後、中2では「お米の科学」と題して、隣接する東京農業大学の教授から味に関する研究手法を学び、中3で味噌、高1で醤油づくりへとつなげていくサイエンス教育は、大学の付属校ならではの取り組みだ。ほかにも著名な作者や作品などの足跡をたどる「文学散歩」や社会科見学、理科の校外学習、また今年度から中1で実施するようになった「北海道自然体験研修」や、保護者の協力の下、第一線で活躍する方を講師に迎えた「知耕実学講義」など、体験から学ぶ機会を数多く用意している。さらに学年や教科の枠組みを超えた自由参加型の「一中一高ゼミ」では、年間70講座以上が設けられ、中1~高3まで500人以上の生徒が活動中。「外部コンテストなどにも積極的に参加し、高い評価を得ています。一中一高ゼミをきっかけに自分の興味を広げ、課題研究テーマやその先の進路へとつなげてほしいと思っています」(梅原校長)
コミュニケーションを加速させる
新校舎が今冬に誕生
完全中高一貫制にともない、同校では新たなスローガン「共創し、新たなステージへ」を掲げ、教育プログラムの見直しを進めている。新たに3本の柱として「リベラルアーツ」「研究・探究」「国際教育」を打ち出し、共創する機会を多く取り入れながら、生徒がより積極的に学びに取り組めるような体制を整えている。
また学びの環境でも「知耕実学」と「共創」をコンセプトにした整備が進む。2023年に第一期工事で完成した2号館は、1階に自習室、2階に美術室や書道室、3階にコンピュータ室や技術室を配置。開放的なラウンジでは、多くの生徒が自学自習する姿が見られる。2026年冬に完成予定の新3号館は、1階に図書館、地下に大講義室、2、3階に理科実験室などを整備。成果物を展示するスペース“サイエンスストリート”や、生徒と教員がコラボレーションすることを目的とした各教科の準備室、生徒たちが自由に議論できる場など、生徒同士、生徒と教員、そして書物との“共創”を意識した建物になる予定だ。
「保護者の皆様には、お子様と一緒にいろいろな学校に足を運び、その学校の教育方針や生徒たちの様子を見ていただきたいですね。その上で、6年間を視野に入れた学校選びをしてください。本校は体験から学ぶ機会を多く設け、生徒一人ひとりの夢の実現へと導いていきます。仲間とそして我々教員とともに、“チーム農一”になりませんか」(梅原校長)
東京農業大学第一高等学校中等部