「人づくり」を目標に10年後に活かせる力の基盤となるものを培う
国士舘中学校・高等学校共学校
文武両道を謳い、学業と部活動の両立を推奨している国士舘中学校・高等学校。めざしているのは12歳で入学した生徒が社会人として巣立つ10年後に身につけておくべき力の基礎を丁寧に形作る教育だ。その根幹にあるのは相手を尊重し、自らの判断で行動する姿勢であり、日々の学校生活や6年間必修の武道を通してじっくりと育てている。
社会で通用する「ふるまい」を
日常の礼節指導で身につける
同校が最も大切にしているのは、中学校入学から「10年後に社会に出る若者としてどんな力を備えていてほしいか」という視点であり、中学校はその基盤づくりの時期と捉えている。とりわけ重視しているのが日常生活での礼節指導だ。挨拶、言葉づかい、姿勢、着衣まで含めて、細かな所作を全教員が同じ基準で指導している。
たとえば職員室に入る際は「ノック→学年・名前・用件を明確に伝える→失礼します」という一連の動作を声量も含め、すべての生徒に等しく基準をクリアすることを求めている。
「礼節は単なる形式ではなく、他者を尊重するという人として最も大切な資質です。家庭ではなかなか身につきにくい部分だからこそ、学校が責任を持って教えるという考え方に立っています」と神山優子教頭は強調する。
武道教育を重視しているのも同じ理由だ。武道の本質は「礼」であり、相手の呼吸を感じ、息を合わせ、動作を合わせる「礼に始まり礼に終わる」所作によって、相手を思う力を鍛えることになるからだ。そのため同校では中1で柔道・剣道の両方を体験した後、中2でいずれかを選択し、高3まで必修授業として継続することになっている。
礼節と同様に重視しているのが、自分の言葉で相手に伝える力の育成で、その象徴が年1回開催される「言道大会」だ。「今、自分が伝えたいこと」をテーマに全員が参加する。1分間スピーチのクラス予選から始まり、本戦での5分間スピーチに仕上げる過程で、言語化能力と表現力を磨いていく。
確実な基礎学力を身につける
「放課後学習」を全学年で実施
学習面では、授業で習ったことを学校にいる間に消化することをめざしている。そこで導入しているのが「放課後学習」だ。6時間目終了後に全生徒が約40分間、宿題・復習・予習などを行うことになっている。部活や下校はその後になるが、希望者はチューターが常駐する自習室で最終下校時刻まで勉強することもできる。
「中学生には睡眠時間や家族とのコミュニケーションの時間も大切です。『放課後学習』で一定の学習時間を確保することで家庭学習の負担が減り、生活リズムも整うため、保護者からも好評を得ています」(神山教頭)
1学年80名の規模を生かし、体験活動にも積極的に取り組んでいる。なかでも国士舘全体で取り組む「防災教育」には定評がある。「そなエリア東京」での震災体験や「本所防災館」での風水害・地震体験、AED講習などを通して、自分の身を守る力だけでなく、他者を助ける力へとつなげている。
「地味ですが確かな力を育てる学校として、今後も『人づくり』に力を入れていきます」(神山教頭)
国士舘中学校・高等学校