帰国生と国内生が共に刺激し合えるグローバル教育校
大妻中野中学校・高等学校女子校
難関大学への合格実績や、女子の特性を生かした独自の教育で注目を集める鷗友学園女子中学高等学校。キリスト教の精神を基盤に、他者を思いやり、自分を大切にする心を育む教育を学校生活のあらゆる場面で取り入れ、自ら課題を見つけて挑戦する姿勢を導いている。生徒が主体的に学ぶ授業の様子と、そのための環境づくりについて紹介する。
帰国生から影響を受け
50人以上が長期留学へ
同校には20年以上の帰国生受け入れの歴史がある。諸橋隆男校長はその狙いを「英語力の高い生徒の入学をのぞんだというより、彼らの多様な経験が他の生徒たちに間違いなく好影響を与えるだろうと判断したからです」と語る。
帰国生の高い英語力を維持するために10年ほど前に整えたのがGLC(グローバル・リーダーズ・コース)で、以後は国内生中心のアドバンスト・コースとの2本立てになっている。
GLCは国内で英語力の研鑽を積んだ生徒にも開かれており、「グローバル入試」を受けてGLCに所属できる。GLCは海外帰国生と英語力の高い国内生の混成コースであり、英語はネイティブの担当時間が圧倒的に長い独自のカリキュラムとなっている。また、中1から高2までフランス語の授業も必修だ。
「このように本校には2つの異なるコースがありますが、生徒間に分け隔てがないことが大きな特長です。互いが持つ得意分野の違いを“異なる個性”と捉える意識が、代々受け継がれてきているのでしょう」(諸橋校長)
グローバル教育校を謳うだけに、短期海外研修のほかに長期留学制度(ターム、半年、1年)も充実している。毎年50人以上が長期留学するが、その多くが国内生であり、コース変更が可能な中3進級時にはGLCが2クラスに増えるなど、帰国生が与える影響力がいかに大きいかが伺える。
それゆえ、全国で30校、都内私立中高で3校しかない「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業拠点校(グローバル人材育成強化)」に採択されている。
探究活動の原点に立ち戻り
「問いの立て直し」を重視
探究活動では新たなステージに向かいつつある。中学では教科と関連させながら、高校では毎年変わる指導教員の専門性や関心を活かしながら、個人やグループで多彩なテーマを探究しており、外部コンテストも含めてチャレンジする姿勢を十分に培ってきた。
「昨今では、探究を年内入試の手段と考える風潮が出てきています。これでは本末転倒です。そこで本校では、『問いの立て直し』を重視することにしました。なぜこのテーマなのか、どうして自分が関心を持つのかなどを再度掘り下げ、新たな入口を見つけた上で探究活動に取り組むことの重要性を、教員全員が共有した上で指導に当たっています」(諸橋校長)
こうした原点回帰の動きは留学にも波及しており、単に語学や異文化を吸収するだけでなく、各自でテーマや問題意識を持った上で渡航する「探究留学」とも言えるものになっている。
「文科省が推進する『トビタテ!留学JAPAN』の精神とも一致しており、本校からも毎年何人かがこのプログラムで留学しています」(諸橋校長)
大妻中野中学校・高等学校