他者と協働して新しい価値を創造
自ら課題に挑戦する “タフで愛ある女性”に
鷗友学園女子中学高等学校女子校
難関大学への合格実績や、女子の特性を生かした独自の教育で注目を集める鷗友学園女子中学高等学校。キリスト教の精神を基盤に、他者を思いやり、自分を大切にする心を育む教育を学校生活のあらゆる場面で取り入れ、自ら課題を見つけて挑戦する姿勢を導いている。生徒が主体的に学ぶ授業の様子と、そのための環境づくりについて紹介する。
問いを立て、実験で確かめ、
探究心を深める理科
「アクティブラーニング」ということばが普及する前から、同校の授業は生徒が主体的に学ぶスタイルが主流。その典型ともいえるのが、探究型の理科授業だ。中1・2では、オリジナルの実験書どおりに操作をし、基本的な実験器具の使い方や手順を身につけ、中2の後半からは、グループで“実験を作り上げていく”仮説検証型の授業を行う。
これは、仮説を立て、実験を計画して実施し、その結果を考察して、新たな実験計画を練るといった過程を繰り返していくもの。たとえば、白い粉を10種類提示して、それぞれ何の粉なのかを検証する実験では、ルールは“舐めてはいけない”ということだけ。実験に必要な器具・薬品・手順まで、すべて生徒たちが計画を立てる。教員は、サポートはするが、ヒントを出すことはない。生徒が疑問を持ち、自分の手を動かし、五感を使いながら検証していくことを大切にしている。
また、希望者を対象に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の協力を得て、金融教育とアントレプレナーシップ教育を融合した探究プログラム「株の力」を実施している。株式の仕組みを学ぶだけでなく、起業家や投資家の視点から社会課題と資金の関係を考え、金融が社会に与える影響を体感する内容だ。東京証券取引所の見学や模擬売買、広告制作といった実践的な活動を通して、生徒は主体的に考え、発信する力を育み、将来の進路や社会との関わりを具体的に思い描く機会としている。
相手に配慮して自分の意見を伝える
「アサーショントレーニング」
こうした参加型の授業の効果を高める意味でも注目されている取り組みが「アサーショントレーニング」だ。自己主張の方法を「アグレッシブ(攻撃タイプ)」「ノンアサーティブ(非主張タイプ)」「アサーティブ(攻撃と非主張の混合)」に分け、専門のトレーナーの指導の下、相手に配慮しながら自分の意見を表現する方法を学ぶ。
同じ会話をしていても、受け取る側によって感じ方はまったく違う。それを知ったうえで、自分の意見を主張するだけではなく、時には主張しない選択もあることを学び、場面ごとに適切なコミュニケーションを選択できる力を身につけていく。鷗友生の間では、「あの時はもっとアサーティブにしたほうがよかったね」といった会話が日常的に飛び交う。コミュニケーションにおける思考力・判断力・表現力の土台となっているのである。
豊かな人間関係を築きながら、主体的に学ぶ姿勢を育む同校。もちろん、授業だけではなく、運動会や学園祭などの学校行事、部活動や学校外のコンテストにも、その姿勢は生かされている。校訓「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造」が示すような、他者と協働しながら新しい価値を創り上げていく力は、社会がどのように変わっていっても必要とされるはずだ。多様な価値観を認め合い、自分も他者も大切にしながら、未来を切り開いていく“タフで愛ある女性”を育てる学校として、これからも成長を続けていくことだろう。
鷗友学園女子中学高等学校