入学時のコース制を解消
多様な人間関係の中で 自分らしく生きる力を育成
東京都市大学付属中学校・高等学校
男子校
2026年度入試で、これまでI類とII類に分かれていた中学校のコースを1本化して募集を行った。この4月から中1の全クラスが同じ教育内容で指導を受け、中3からコース分けが行われる。入学時からコース制を導入する学校が多い中で、思い切った転換となったが、その決断の背景について、広報部主任・田中望先生に話を聞いた。
選ばれる学校になり
均一な教育が可能に
「以前は入学する子どもたちの学力に差があり、それぞれの層に合ったI類・II類のコース制をとっていました。しかし近年、その学力差がなくなってきたという事情があります」と田中先生。
学力差が縮まったのは、同校が第一志望として「選ばれる学校」になったことに起因する。ハイレベルなII類の教育に、I類に入ってくる生徒もついていける力を持ち始めたという。
「もちろん、上の層の学力にまだ不足する生徒もいますが、それでもII類の教育内容に一生懸命食らいついていくだけの気概のある生徒が増えています」
コースを解消するメリットはあるのだろうか。
「これからは全クラスに学習面で模範となる生徒が存在し、身近な目標となります。また、個性豊かな集団で過ごすことで、どの生徒にとっても成長を促し、交友関係を広げることになるでしょう。本校ではよく『勉強も部活も100対100』と言いますが、低学年のうちは過度に学習成果を意識せずに、多様な仲間と共に学校行事や部活動に全力で取り組み、学ぶ目標を見つけてほしいのです」
その目標とは大学入試ではなく、その先にあるものだという。
「大学入試は短期的な目標に過ぎません。その先の人生で、生徒1人ひとりが何を成し遂げたいのかに気づけるかどうかが大切です。社会に出た後も、性格や能力の違い、文化的背景の異なる人など様々な人と出会います。本校にも帰国生や外国籍の生徒もいます。いろいろな背景をもつ生徒と交流し、多様な価値観に触れることで、将来について考え、また自分らしくしていいのだと感じてもらえると思います」と田中先生は話す。
主体的な修学旅行に向けて
段階的に準備中
高校にも新たな動きが見られる。探究教育の重要性が注目される中で、同校では弁論大会に向けた1600字の文章(中1〜中2)、4000字の中期修了論文(高1)などすでに様々な取り組みを行っているが、高1の修学旅行をより生徒の主体性に基づく探究活動にするという。
「自分たちでテーマや行き先を決め、現地が抱えている課題と自分たちが日頃感じている課題をかけ合わせながら、旅行中に調査したり、企業訪問をしたり、自ら動いてもらいます。ただ、探究学習には、基本的な知識やスキルが必要です。2年後に成功させるために今の中2から、まずは遠足でチームビルディングの体験など段階的に進めています」
最後に田中先生から保護者に向けてメッセージをいただいた。
「本校では、子どもたちが自ら成長していく環境を整えています。少し後ろに下がって、私たち教員と一緒に見守りましょう」
東京都市大学付属中学校・
高等学校