伝統を礎に、さらなる革新へ
6年一貫教育で 教育の質を向上
成城中学校・成城高等学校男子校
今年で142年目を迎えた成城中学校・成城高等学校は、文武両道主義を掲げる伝統の男子校である。次世代を生き抜くために必要な「知・仁・勇」を備えた、人間力豊かなリーダーの育成に注目が集まっている。
中高完全一貫校で
新カリキュラム
1885(明治18)年の創立以来、「社会に有為な人材を育成する」という建学の精神を受け継ぎ、同校は時代に応じた教育改革を継続的に進めてきた。中高完全一貫校としてスタートした2021年度以降もカリキュラムを見直し、独自授業の内容を一層充実させている。
中1の「数学統計」は、情報と数学を組み合わせて統計学の基礎を学ぶ授業である。さらに「国語表現」では、プレゼンテーション力の養成を目的に実学的な学びを展開。中1では資料なしの発表に挑戦し、中2ではスライド作成まで行い、図書館と連携し書籍に触れつつ、タブレットで情報収集し表現力の基盤を築く。中3の「探究」ではテーマ別の探究活動を行い、探究的な姿勢と実践的な発表力をさらに高めている。
こうした学びを支える取り組みとして、同校は2024年度より「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校となった。コンピュータ教室には、デジタルものづくりの環境を整備した。さらに技術室にはレーザーカッターを導入し、CADを用いた木材・プラスチックの加工が可能となった。生徒向けに講習会を開くなどICT機器の活用を促進し、文理横断的な実践学習への関心を高め、探究の質を一段と向上させている。
伝統的男子教育と
成城版グローバル教育
教育改革が進む一方で、「真のリーダー」を育てる伝統的な男子教育も大切にされている。その象徴が臨海学校だ。中1全員が参加し、千葉県南房総市にて毎年3泊4日で実施される。
この行事の特色は、泳力・体力・指導力に優れた高2生約50名が補助員として参加する点にある。中1生の安全を守りながら任務にあたり、高2生はリーダーシップを実践的に磨く。彼らの姿は中1生の憧れとなり、補助員は良きロールモデルとして機能している。
臨海学校のハイライトは、上級者約50名による約90分間の遠泳である。補助員を先頭にバディを組んだ中1生が隊列を作って泳ぎ、その脇を補助員が固め、さらに教員の船や地元の漁船が並走する光景は圧巻だ。100年以上事故なく続いているのは、伝統行事ならではのノウハウの積み重ねによるものだろう。
希望制で行う「成城版グローバル教育」も、学びの質がより高まっている。カリフォルニア大学などの学生を招き、生徒が5日間英語のみで議論する「Global Studies Program(GSP)」や、台湾・オーストラリアでの「グローバルリーダー研修」は、特色ある学びとして定着し、海外志向を高めている。2023年度からは新たに「カンボジアキャラバン」が加わった。同プログラムでは異文化理解にとどまらず、現地調査や課題研究にも取り組み、社会課題を主体的に捉える視点を養うことを目的としている。国際経験の幅が広がり、探究的な学びとの連動も一層強まっている。
伝統を大切にしつつ改革を進める成城。さらなる飛躍が期待される。
成城中学校・成城高等学校