1. ホーム
  2. 中学校の魅力を知る
  3. 世界を広げ、人生を豊かに 心と体でことばと触れ合い 対話で深める国語教育を展開

世界を広げ、人生を豊かに
心と体でことばと触れ合い 対話で深める国語教育を展開

世界を広げ、人生を豊かに<br>心と体でことばと触れ合い 対話で深める国語教育を展開

海城中学高等学校男子校

建学の精神に基づいた「新しい学力」「新しい人間力」を育てる教育を実践する海城中学校・高等学校。1891年創立の伝統校は、医学部をはじめとする進学実績の高さでも知られる。力を入れる国語教育では、独自のプログラムを数多く導入している。その具体的な取り組みについて、国語科主任の中村陽一先生と副主任の鈴木仁義先生に聞いた。

生きることを支える国語力を
楽しみながら身につけていく

御校の国語教育で大切にしていることをお聞かせください。

中村 本校では、ことばを通して変化していく世界の現状に対応し、他者と関わりながら自らが生きることを支え、人生をより豊かにできるような国語力の育成を目指しています。私たちはことばを通して世界を認識しているので、新しいことばを獲得し、他者のものの見方を知ることは、自分の世界を広げ、豊かな人生を送ることに繋がると考えています。

鈴木 中学受験を終えたばかりの生徒は、どうしても国語力を国語の試験のスコアと直結させがちです。まずはその認識を壊したいです。自分の意見を伝えたり、他者の話を聞いたり、コミュニケーションを取ったりする力も国語力の一つだと言えます。社会に出た後もことばを使いながら他の人と協働していくことが求められるので、それに対応するためにも、まずは彼らの学力観自体を変えることが大事だと思っています。

生徒たちの「ことばの力」をどのように育てていますか。

中村 頭でことばを吸収するだけではなく、こころと体を使ってことばと触れ合えるように、グループワークや、体験的な表現活動を多く取り入れています。表現活動において、自分が伝えたいと願って表現したことが他者に伝わったときの喜びや、表現する楽しさを体験的に学んでほしく思っています。

鈴木 授業ではことばに関心を持って、自分自身でもっと獲得していきたいと思ってもらえるように、ことばを使う楽しさを伝えています。

中村 ことばを知ることで自分の世界が広がっていくことのおもしろさを経験してもらえると良いですね。

体験的に理解して考える
ユニークな取り組み

具体的な取り組みについて教えてください。

中村 たとえば中1の夏休みには、「picture」と「dictionary」を組み合わせて『Pictionary』と名づけたアルバムを作成します。『Pictionary』には「憧れる」「芸術」などの言葉が1ページにひとつずつ記されており、その下に写真を貼る欄があります。生徒は言葉の意味を辞書で調べて書き入れ、言葉にあった写真を貼っていきます。ことばが世界の見え方を規定することや、同じことばでもそれが喚起するイメージが人によって異なることを、体験的に学び取ってもらいます。

鈴木 中2では太宰治の小説「走れメロス」を扱う際に、班ごとに5つの場面を選んで写真に撮る活動を取り入れています。どの場面を切り取るのか、何の写真を撮るのか、いろんな考えがある中で、ああでもない、こうでもないと自然なコミュニケーションが生まれることになり、それ自体がことばを使う良い機会になります。また、活動を通して本文をしっかり読み込むことになり、結果的に深い読解にもつながります。生徒も楽しみながら熱心に取り組んでいます。

中学1年生の夏休みに取り組む『Pictionary』。完成させた後にはお互いの作品を鑑賞し合う
中学1年生の夏休みに取り組む『Pictionary』。完成させた後にはお互いの作品を鑑賞し合う
未知なる課題に取り組む
多彩なワークショップを実施

古典の授業では、どのような工夫をされていますか。

鈴木 本格的に古典を学び始める前の中1からかるた大会を開催して百人一首に触れています。ゲーム性を持たせることで古典へのハードルを下げるのが狙いです。また、書き込み式のテキスト「古典読本」など、本校オリジナルの教材を活用しています。古典を学ぶことは現在を相対化する側面があるので、「こういう世界もあるんだ」という驚きを提供したいですし、良い作品にもたくさん触れてほしいとも考えています。

体験型プログラムも多いですね。

中村 国語と道徳・探究の時間を使い、プロの演出家と協力して実施する演劇ワークショップでは、班ごとに短い演劇作品を創って発表します。仲間と楽しみながら演劇を創る過程で、他者と対話し合意形成する方法を体験的に学ぶことが期待できます。観客に届く表現の形に絶対的な正解はありません。生徒たちは演劇創りを通して、他者と対話し協働しながら答えのない問いを創造的に解決する経験をしていると言えます。未知なる課題に取り組む練習にもなります。

このページをシェア